20代後半、仕事もプライベートも上手くいかなかったとき、個人で起業する働き方があることを知った。
当時の私は派遣社員の傍ら、自分のホームページでアフィリエイトをしたり、好きなものをモチーフにしたハンドメイドアクセサリーのオンラインショップを運営していたけど、副業として成り立つほどの収益はなかった。
また自分が受講した講座のディプロマを取り、講師業もしていた。
けれど、それも思うような結果が出ず、支出ばかりが増えていった。
派遣社員と副業の掛け持ちをやめる、正社員として働くなど、自分の給料を上げるという選択肢もあったはずなのに、
「私も個人で仕事ができるようになりたい」
そんな気持ちがあったし、SNSでポジティブな発信をしていたこともあり、引くに引けなくなっていた。
お金がなくなり、クレジットカードのリボ払いに頼るようになった。
またリボ払いだけでなく、大学の奨学金、エステ脱毛のローンもあった。
「毎月あと10,000円追加でお支払いいただければ、永久的に通うことができます」
当時の自分にとってプラス10,000円の支出は大きく、収入が増える予定もなかったのに、見栄を張っていた自分がいた。
実際はお金で苦しんでいるのに、SNSで幸せそうな投稿をする。そのギャップが大きくなっていくのが、ただただ苦しかった。
諸々の返済が滞り、実家にハガキが届いたり、留守電に催促の電話が入っていたときは地獄だった。
そんなこんなでどうにもできなくなり、最終的にリボ払いの返済分は任意整理することに。
SNSをやめた理由のひとつには、任意整理したこともある。
複数の弁護士法人に相談したところ、私がお願いしたところはとても優しく対応してくださり、「大丈夫ですよ」と声をかけてもらったときは肩の力がスーッと抜けた。
また結婚前から夫には任意整理したことを伝えていて、結婚後の生活費の負担が少なかったことは本当にありがたかった。
リボ払いをしないに越したことはない。
けれど、今の暮らしがあるのはリボ払いをしてまで受講した講座のおかげだし、背伸びをしてでも走り続けたときに得た経験は何ものにも変えられない。
医療脱毛にすれば良かったと思う。
けれど、数年通っている今はほぼ気にならないし、数ヶ月に1回のエステ通いは良い気分転換になっている。
ちなみに社会人3年目のとき、フランス・パリへ旅行したときもリボ払いで航空券を払った。
オープンカフェに座っていた現地の女性が吸い終わったタバコをポイ捨てした光景。
オルセー美術館の館内でベンチに座りながら見た美しい建築。
どちらも、今でも鮮明に覚えている。
お金で買った経験は、今の私の糧になっている。
任意整理したことで起業に区切りをつけることができ、パート社員として働くようになった。
また、収支を見直し、見栄を張ることを手放したことで支出が減り、滞りなく返済することができるようになった。
そして去年、エステ脱毛のローンを完済し、任意整理の返済も終えることができた。
奨学金の返済が残っているけど、今の自分なら返せるだろう。
これからのお金との付き合い方が楽しみだ。
